気付けば、君の腕の中。
五十嵐くんの言うとおり、指導できるのは今日までなのだ。
…遅刻したら白くんに怒られそう。
あたしは結局美術部に決めて、先に行ってしまった五十嵐くんの後を追おうとした。
ふと、前の席で机に顔を伏せて眠る凜くんに足が止まった。
…最近、幼稚園のことばかり考えていたから、全然凜くんと話すきっかけを作れてなかった。
今更何て声をかけたらいいのだろう。
普通に「こんにちは」なんて言っても、おかしいだろうし…。
「んん……」
「!」