気付けば、君の腕の中。
ひなちゃんと積み木で遊んでいる姿は、どこにでもいそうなお兄ちゃんだ。
「…ガキに嫉妬させるなんて、やっぱバカだな」
「え、何でバカにされたの?」
「あやかー!!」
五十嵐くんが何を言ったのか、全部は聞き取れなかったけど、バカにされたのは分かった。
白くんのところに行くと、あたしは腰を下ろして、CDをセットした。
「よし、今日は全部通してみよう」
「おう! にちようび母ちゃんきてくれっかなあ!」
「来てくれるといいね。あたしも見に来ていいの?」
「しかたねーから、いいぜ!! あ、べんとうもつくって!!」
「ええ? それはお母さんが作るものじゃないの?」
困惑するあたしに白くんは、ニッと白い歯を見せて笑った。