気付けば、君の腕の中。
「…おれだって出来るっつーの」
「い、いひゃいでふ、いははひふん…」
「間抜け面」
パッと手を離されて、あたしは頬を擦った。
…全く、すぐ手が出る人なんだから。
「んー、晩御飯食べられるかなあ…。白くん、よければ後食べれる?」
「しっかたねーなあ!!」
あたしは半分ほど食べたケーキを差し出すと、白くんが受け取る前に五十嵐くんが奪った。
「…バカじゃねーの。晩飯食えなかったら、お前の母さん悲しむぞ」
「うぐ…! そ、そうだな。じゃあやめとくけど…」
「そんな顔しても駄目だっつーの。また作ってもらえば」