気付けば、君の腕の中。


そんなあたしの袖を引っ張ったのは、一番迎えが遅いゆうきくんだった。


「あ、ゆうきくん。何かして遊ぶ?」

「…ん」


手を繋いで突き当たりの部屋に戻ると、折り紙を教わることにした。

丁寧な手つきで折り紙を折るゆうきくんは、本当に子供なんだろうかと疑問に思う。


彼に比べて、あまり上手とは言えない鶴を折ると、ゆうきくんは「…おねえさんへた」と言い放った。


…だよね、あたしも思う。こんなぐしゃぐしゃで折り目が沢山ついてるものは、あまり綺麗とは言えない。


それでもゆうきくんと折り紙を折ったときは、必ず交換をするのだ。


ゆうきくんの立派な鶴を貰うと、ようやく迎えが来たため、見送るために立ち上がった。


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