気付けば、君の腕の中。
部屋の中は意外にも女の子らしい物で溢れかえっていた。
…失礼かも知れないけど、美湯さんはシンプルな物を好んでいると思い込んでいたのだ。
持ってきたおかずとおにぎりを乗せたお盆を、用意されたテーブルへ置く。
後でコップにお茶を入れてこようと考えていたため、もう一度立ち上がろうとしたら、美湯さんが何も言わず、いつの間にかお茶を持ってきてくれた。
「あ、ありがとうございます。どこに、座ったら…」
可愛らしいぬいぐるみが床に沢山置いてあるので、座る位置が決まっているのかも知れない。
美湯さんは何も言わずに、床を指差したので、言われたとおりに座る。
わあ……、このクマのぬいぐるみ、すごい毛並みがふわふわだ…!