気付けば、君の腕の中。
▼ Story 6
+ 過去の自分が振り返った
月曜日を迎えたあたしは、今日から部活に行くことにした。
放課後、美術室に向かうと、ガラリと扉を開けて、危うく鞄を落としそうになった。
な、ななな…何で、春樹先輩がいるの!?
「あ、やあーっと来たか、俺の元カノちゃん」
その呼び名にぞぞっと背筋が冷えた。
美術室内は、殆どが不良ばかりで、中学時代と同じ光景に見えた。
ズボンを腰まで下げて穿く先輩は、やっぱりピアスやネックレスを付けていて、五十嵐くんよりもチャラい人だ。
…こんな人と、どうして付き合ったのだろうと、中学一年生のあたしに問いたくなる。
「なあーんで、入学してから一ヶ月が経とうとしてんのにぃ? てめえは来なかったんだよ?」