気付けば、君の腕の中。


その言葉に首を傾げた。

…え、だってお遊戯会は終わっちゃったし、行く理由がないから行ってはいけないと思ってた。


「平日が無理でも、土曜なら行けんだろ。
陽菜だって寂しがってるから、会ってやれば」

「いいのかな…、あたしが行っても」

「迷惑だったら寂しがらねーだろ。メンドくせーなお前も」


そんな言い方しなくても…、と思いながらあたしはふと思い出した。


「勿論行きたいけど、五十嵐くんも来るでしょ?」

「はあ? 何で俺が貴重な休みの日に行かなきゃなんねーんだよ」

「ええ…、来ないの?」



ひなちゃんだって五十嵐くんが来れば、絶対喜ぶのになあ…。


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