気付けば、君の腕の中。
+ 昨日見た景色よりも輝く“今”
あれから春はあっという間に過ぎ去り、今は夏を迎えようとしていた。
五十嵐くんと美術室で幼稚園の話をしてから、あたしは毎週土曜日に幼稚園に通った。
白くんは嬉しそうにあたしの両手を握って「しかたねーからあそんでやる!」なんて言ってくれたし、今では普通に頭を撫でさせてくれる。
今までの生活が、がらりと変わって、あたしは楽しいことが増えたけど、桃のことは頭から消えなかった。
…謝りたいけど、どうしたらいいんだろう。
今更声をかけるなんて、臆病なあたしには出来ない。
凜くんと桃が付き合っているのかも分からないし、何故か最近また凜くんに避けられているのだ。