気付けば、君の腕の中。
中学校生活の終わりが見えた、冬のことだ。
またアイツから連絡がきた。
今回も無視してやろうかと思ったが、今日は陽菜がオムライスを作ってくれたため、おれは上機嫌だった。だから、仕方なくメールを見てみれば、本当に目が飛び出すかと思った。
『実は、今付き合ってる彼女がいて』
これを読んだときは何の報告かと思った。
『また振られるのが怖かったから、違う女の子にデートに着いてきて欲しいって頼んだんだ』
…は?
何言ってんの、こいつは。
『でも、それだと女の子が二人で、俺は男一人でしょ。だから五十嵐に来て、ほしいんだけど』
むしろ、おれだったら「行く」とでも言うのかと思ったのだろうか。