気付けば、君の腕の中。
アイツの席に座って、朝から眠ろうとするバカ女の頭に触れた。
…ちっせえ頭。
バカみたいに人の応援をして、自分を犠牲にするおれの一番嫌いなタイプ。
それなのに頭を撫でると、おれを睨んでくるあの表情を思い出した。
今、自分の頭を撫でているのは坂木だと思っているのだろう。
ざまあみろ。
メールの届いた電子音で起きたバカ女は、やはりおれを見て驚いていた。
目を丸くさせて、わたわたとする姿は悪くない。
席に戻ると、ホッと胸を撫で下ろすバカ女にイラッとしたが、おれは首を傾げた。
…? 何でイラつくんだ?