気付けば、君の腕の中。
▽ Story 7
+ 白い心が色づいた
五十嵐くんに言われた日曜日、待ち合わせの竜浜幼稚園に向かうと、ロックな感じのTシャツにジーンズとウエスタンブーツを履きこなした五十嵐くんが待っていた。
「……ふーん、40点」
「えっ!? な、何が!?」
「ファッションセンス。ワンピースを着てくるのはいいとして、何かありきたりすぎる」
「え、えええ……」
たまたまスーパーの帰りに見つけたオシャレな服屋で買ったものなのに!
むう、と頬を膨らませて、幼稚園の門を開けようとしたら腕を掴まれた。
「今日は幼稚園閉まってるだろ」
「え、そ、そうなの? じゃあどこで…」
「おれの家」
その言葉に暫く放心状態に陥ったのは、仕方がないと思う。