気付けば、君の腕の中。
「あっ、あやかおねえさんだ!」
「ひなちゃん、こんにちは」
玄関で待ってくれていたひなちゃんは、すぐにあたしに抱きついた。
それを受け止めると、ひなちゃんを抱っこして家に上がらせてもらう。
「お、お邪魔します……」
「おれの親は共働きだからいねーよ。適当に座れば」
「は、はあい」
「あやかおねえさん、きょうはオムライスのつくりかた、おしえてくれるのっ?」
きらきらとした眼差しを向けられて、思わず頬が緩んでしまう。
「簡単だからひなちゃんはすぐに上達できると思うよ」
「えへへ、ほんとう?」
早く早く!とあたしの腕を引っ張るひなちゃんと一緒に台所へ向かうと、五十嵐くんに引き止められた。