気付けば、君の腕の中。
呆れた表情を浮かべる五十嵐くんに、あたしとひなちゃんは首を傾げた。
「…まだ10時だけど、もう作るわけ」
「え、嘘!! まだ10時だったんだ…」
「あ! じゃあおにんぎょうあそび! おにいちゃんがぜんぜんあそんでくれないの!」
「あはは…そうなんだ。五十嵐くん、お人形遊びしてあげないと駄目じゃん」
「は? 男がそんな遊びするわけねーだろ」
不機嫌そうに言う五十嵐くんに笑ってしまう。
とりあえず居間の部屋に案内してもらうと、そこに荷物を下ろして、人形遊びをすることにした。
「じゃあおにいちゃんはおとうさんやくね!」
「は?」
「あやかおねえさんはおかあさんやく! はい、このおにんぎょうもって!」