気付けば、君の腕の中。


それから暫く人形遊びをした後、ひなちゃんと一緒に台所に向かった。

用意された卵を割って、溶き解した後、炊いてあったご飯を一口サイズに丸める。

ひなちゃんにおにぎりを丸める係りを担当してもらい、五十嵐くんも巻き込んで、小さなオムライスを沢山作った。


「わああ…! すごーい!! クマさんのおにぎりもある!」

「海苔を切り抜けば、色んな動物に出来るよ。卵も白身だけ使ったら、パンダだって出来るし」

「…お前、普通に何でも出来るわけ?」

「あはは、家族のご飯を作ってたら、いつの間にか出来るようになってただけだよ」


照れ臭くてそう言えば、五十嵐くんは感心したように頷いた。


「よし、ひなちゃん。一緒に運ぼうか」

「うんっ! えへへ、おねえさんありがとう」


< 323 / 445 >

この作品をシェア

pagetop