気付けば、君の腕の中。
嬉しそうなひなちゃんを見て、あたしまで心が弾んだ。
…いつの日か、今日みたいに誰かを喜ばせることが出来るような仕事に就きたいなあ…。
ご飯を食べ終えた後、近くの公園で遊び、買ったばかりの服だと忘れて、また泥だらけになってしまった。
勿論、ひなちゃんも泥だらけだ。
家で待っていた五十嵐くんは、あたしたちの姿を見て、頭を抱えてしまった。
「バカなわけ? 何で…そんなに汚れることができんだよ…??」
「あはは、つい…」
「えへへ、つい…」
「ついじゃねーっての…。もう、陽菜を連れて銭湯行って来いよ」
「? 銭湯?」
「おれの家風呂ねーからな。いつも陽菜は母さんか、たまに遊びに来るばあさんと入ってんだよ」