気付けば、君の腕の中。


銭湯に初めて来たあたしはテンションが上がっていた。

わわ…、桶とかある…!


ひなちゃんが貸してくれたシャンプーを泡立てると、ひなちゃんの頭を洗う。

初めは「いいの?」なんて遠慮していたけど、甘えられるときに甘えないとね。


お姉ちゃんもこうしてあたしの頭を洗ってくれたなあ…。


お湯で頭を洗い流すと、体を洗った後、大きなお風呂に体を沈ませた。


「広いねえ、ひなちゃん。あたしたちだけだから貸切だよ」

「ここはあまりひとがこないんだ。だから、おねえさんがきてくれてよかった」


にこにこと頬を緩ませるひなちゃんに、あたしも笑うと、小さな頭を何度も撫でた。


< 326 / 445 >

この作品をシェア

pagetop