気付けば、君の腕の中。
銭湯に初めて来たあたしはテンションが上がっていた。
わわ…、桶とかある…!
ひなちゃんが貸してくれたシャンプーを泡立てると、ひなちゃんの頭を洗う。
初めは「いいの?」なんて遠慮していたけど、甘えられるときに甘えないとね。
お姉ちゃんもこうしてあたしの頭を洗ってくれたなあ…。
お湯で頭を洗い流すと、体を洗った後、大きなお風呂に体を沈ませた。
「広いねえ、ひなちゃん。あたしたちだけだから貸切だよ」
「ここはあまりひとがこないんだ。だから、おねえさんがきてくれてよかった」
にこにこと頬を緩ませるひなちゃんに、あたしも笑うと、小さな頭を何度も撫でた。