気付けば、君の腕の中。
お風呂から上がって、下着だけは今日着ていたものを穿くと、借りた服に着替えた。
ぶかぶかのTシャツは、さすがは男の子の服だなあと思う。
ズボンの裾を折らせてもらうと、五十嵐くんが待っている場所に向かった。
「……えっと、五十嵐くん?」
「黙って」
すっかり暗くなった夜道を、ひなちゃんを真ん中にして、三人で並んで歩いた。
先ほどから五十嵐くんは片手で顔を隠し、あたしから視線を逸らす。
…お風呂に浸かりすぎて逆上せたのかな。
ひなちゃんの温かい手を握ると、不意に引っ張られた。