気付けば、君の腕の中。

+ 青い感情が熟れた



―それから一週間が経ち、ついにお姉ちゃんに会いに行く日がやってきた。

昨日から眠れず、あたしは何度も深呼吸を繰り返して、奈々美と待ち合わせた駅に向かう。


…五十嵐く…、じゃなかった。

陰輔くんに会った日、ひなちゃんと泥だらけになって帰ったので、買ったばかりの服はクリーニングに出した。


この前陰輔くんが教えてくれた洗濯の方法が、思い出せなかったのだ。

だいぶ前に陰輔くんとメアド交換をしたから、それで聞けばよかったのだけど、何となく聞きづらかった。



新しい服を買うお金なんてあるはずがなく、お姉ちゃんから昔貰ったスカートを穿いた。


「あっ、絢華ー! こっちこっち!」


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