気付けば、君の腕の中。
カラオケのお店に着くと、個室に案内された。
向かい合って座ったけれど、やっぱり気まずい空気になってしまう。
…ドリンクバーで飲み物は持ってきたし、話さざるを得ない状況だ。
意を決して顔を上げると、お姉ちゃんはじっとあたしを見つめていた。
「え、な、何? そんなに見ても、何にもないけど…」
「いや…、変わったなって思って」
「そう…かな?」
今日は髪を巻いてみただけで、それといった変化はないはずだ。
首を傾げると、お姉ちゃんはソファに深く座り込んで、天井を見上げた。
「…で、絢華のことだから、お母さんたちのことで来たんでしょ?」