気付けば、君の腕の中。
買ってもらったかざぐるまに息を吹きかけた。
まるで花火のように、鮮やかな赤が弾けて飛んだように見えた。
「…半開き」
「!!」
不意に伸びてきた手のひらが、あたしの頬を突いた。
きゅっと口を閉じると、隣でクツクツと笑う声が聞こえて、恥ずかしさのあまり俯いた。
「い、意地悪だ…!!」
「ガキみてーな顔してるから、つい」
「ついじゃないよ…! もう…」
むっと唇を尖らせると、いつの間にかたこ焼きを買ったらしい陰輔くんは、何食わぬ顔であたしにそれを近づけた。
「これで機嫌直せよ」
「…んむ、おいひい…」
強引に口の中へ入れられたたこ焼きは、少し冷めていて丁度いい熱さだった。