気付けば、君の腕の中。
こんな辛い思い、あたしには耐えられない。
困らせると分かってはいたけれど、涙が止まらなかった。
「おれは優しくねーから、とことん邪魔をするし、諦めろって言われても諦めねーよ」
「ふ、ぇ…、そんなの、くるし、い、だけ、なのに…」
「苦しくても諦められないのは、絢華が一番知ってるだろ」
泣くな、と陰輔くんがあたしの涙を指先で拭った。
あたしの手のひらから、かざぐるまが落ちる。
地面に落ちてしまったそれを気にも留めず、あたしは陰輔くんに抱きついた。
「っいっぱ、い、ありがとう…! あた、し、いん、すけくんの思い、無駄にしないよ…!」
それを聞いた陰輔くんは、泣きそうな表情で笑ってくれた―。