気付けば、君の腕の中。
思わず苦笑いを浮かべると、陰輔くんのお母さんはあたしのお母さんと談笑し始めた。
…普段、お母さんって授業参観に来ないから、こうしてお母さん同士で話すのは初めて見る。
「はー……、だからおれは嫌だったんだよ。あんなばばあ連れてくるなんて」
「ちょっと陰輔!? アンタ聞こえてるからね!?」
「あはは…、元気そうなお母さんで楽しそうだね」
「…うるせーだけだろ」
そっぽを向いてしまった陰輔くんに笑うと、ダダダッ!と門が開いて、白くんが抱きついてきた。
「わあ、おはよう。白くん」
「おっせー!! あやか、かざりつけはだいこうひょうだぜ!!」
「ほんと? 頑張った甲斐があったね。今、誰が来てる?」