気付けば、君の腕の中。
全員のハチマキを巻くと、あたしは赤いハチマキを陰輔くんに渡した。
凜くんは白いハチマキだ。
奈々美は赤いハチマキ、桃は白いハチマキを手渡すと、渋るお姉ちゃんには赤いハチマキを、月城には白いハチマキを押し付けた。
あたしは赤いハチマキを頭に巻くと、美湯さんに白いハチマキを結んであげた。
「よーし、まずは準備体操だね。ご両親の方たちは、テントがあるので、そちらで見てください」
ちゃんとパイプ椅子を並べておいたし、熱中症になることはないだろう。
あたしは陰輔くんが運んでくれたラジカセに、準備体操のCDを入れると、みんなで輪になって体操を始めた。
お父さんたちがいそいそとビデオカメラをセットしているのを見て、つい笑ってしまったのは内緒だ。