気付けば、君の腕の中。
+ 再スタートは手を繋いでから
陽がさんさんと降り注ぐ中、あたしは準備を整えると、合図を送った。
まず、第一種目は障害物競走だ。
簡単に用意した跳び箱とハードル、途中でパンを口で引っ張って取り、最後に落ちてあるバットを拾い、その周りをぐるぐると回って、終了というものだ。
青ざめるお姉ちゃんは確か、運動が大の苦手だったなあ…。
そういうあたしも、運動音痴である。
『では、第一走者は赤組、一ノ瀬白くん!
対して白組は戸塚ゆうきくん』
位置に着いた二人は「よーい、どん!」と、清水さんの声で走り出した。
――ついに、あたしたちの競争が始まったのだ。