気付けば、君の腕の中。
次に走ったのは赤組はお姉ちゃん、白組は月城だ。
あたしもスタートの位置に行くと、隣に美湯さんが並ぶ。
「私…、運動音痴だけどいいのかしら……」
「大丈夫です! あたしのほうが全然運動は出来ないので! それに今日は目一杯楽しみましょう」
安心させるようにそう言えば、美湯さんは困ったような表情で笑った。
「…本当に凄いわね、貴方は…」
「えっ?」
「だって、あんなにもバラバラだった人たちを集めるんですもの。…おかげで久しぶりにお母さんと話せたわ」
「美湯さん…」
「有難う、絢華さん」
眼鏡をポケットに仕舞った美湯さんは、にこりと笑ってくれた。