気付けば、君の腕の中。


次に走ったのは赤組はお姉ちゃん、白組は月城だ。


あたしもスタートの位置に行くと、隣に美湯さんが並ぶ。


「私…、運動音痴だけどいいのかしら……」

「大丈夫です! あたしのほうが全然運動は出来ないので! それに今日は目一杯楽しみましょう」


安心させるようにそう言えば、美湯さんは困ったような表情で笑った。


「…本当に凄いわね、貴方は…」

「えっ?」

「だって、あんなにもバラバラだった人たちを集めるんですもの。…おかげで久しぶりにお母さんと話せたわ」

「美湯さん…」

「有難う、絢華さん」


眼鏡をポケットに仕舞った美湯さんは、にこりと笑ってくれた。


< 399 / 445 >

この作品をシェア

pagetop