気付けば、君の腕の中。


あんなにも気まずかったのが嘘のようだ。

後は―…、“仲直り会”でみんな過去を清算して、ここから再スタートになるといいな…。


ちらりと桃を見れば、視線が合った。

あたしが手を振ると、ぎこちなく手を振り返してくれる。


…よし!

後は綱引きと、玉投げ競争、そしてお昼ご飯の休憩を取ってから、“仲直り会”だ。


準備を進めて、深呼吸を繰り返した。

誰も俯いてなんかいない。


この場を楽しんでくれているのだ。


綱引きの準備を終えると、あたしはみんなを呼びに走り出した。


< 402 / 445 >

この作品をシェア

pagetop