気付けば、君の腕の中。
それから午前の種目を終えると、清水さんと一緒に作っておいたお弁当を配った。
木陰を見つけて、そこにレジャーシートを敷いておく。
煮付け料理は昨日あたしと作り、卵焼きやウインナー、ポテトサラダはあたしが家で作って持ってきたものだ。
他のご両親に招待状で、お弁当はこちらが作ると言っておいたから、大丈夫だろう。
奈々美の隣に座ろうとしたとき、凜くんがあたしを呼んだ。
「? どうしたの?」
「…こっち、空いてるから座ったらどうかなって思って」
ぱっと視線を逸らした凜くんを見て、あたしは頬が緩みそうになるのを抑えた。
「じゃあ、お邪魔します……」
凜くんの隣に座ると、少しだけ肩が触れてしまい、緊張で心臓が飛び出そうだった。