気付けば、君の腕の中。


何度も謝りながら嗚咽を漏らす桃に、あたしは優しく背中を撫でた。


「…あたしは何も怒ってないから、もう謝らなくていいんだよ。その代わりに、避けていた分も含めて沢山話そうよ」

「う、んっ……! あり、がとう、絢華っ!」


桃があたしの背中に回ると、ぎゅっと抱きしめてきた。

…よほど寂しかったのかな。

元々桃と喧嘩したのが初めてだったから、あたしも仲直りできるか不安だった。


ホッと胸を撫で下ろして、今度は奈々美と向き合った。


「じゃあ…奈々美、このまま読んでもいいかな?」

「やっとうちの番ね!!」


かさりと手紙を開くと、奈々美への思いが溢れた文章を読んだ。


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