気付けば、君の腕の中。


奈々美には、誰よりも幸せになってほしい。

泣きそうになったときや、一人で抱え込もうとしたとき、奈々美はいつだって気づいて駆けつけてくれた。


その温かい心で救われたことを、あたしは生涯忘れない。


「…じゃあ、次は凜くん、いいかな」

「っ! うん…、聞きたい。絢華の気持ちが知りたいよ」

「はー…、待て。ここで告白でもする気?」

「っへ!?」


不意に陰輔くんがストップをかけた。

あたしだってバカじゃないから、こんなお父さんとお母さんの前で告白しないよ…!!


「お前たちはちゃんと話し合えば? 時間なら幾らでもあるんだし、後でちゃんと向き合えよ」

「え、えっ…それお父さんたちの前で言う!?」

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