気付けば、君の腕の中。
それを聞いた月城は、無言のままあたしを抱きしめた。
お姉ちゃんまで抱きついてくると、あたしはぎゅうぎゅうと二人の間に挟まれる。
「く、くるしっ……!!」
「俺のせいで泣いてたくせに、何でそんなこと言えんだよ……」
「絢華…、ずっと来也のこと好きだったものね…」
「や、やめて!? そんなこと暴露しなくていいから!!」
気を取り直して、続きを読もうと二人から離れた。
「…あたしは、勝手に出て行ったお姉ちゃんに怒っていたけど、やっぱり怒れなかった。
だって、お姉ちゃんはお姉ちゃんなりに苦しんでたことに気づけたから…」
だから、もう過去に縛られる必要はないんだ。
「二人に幸せになってほしいのが、あたしの気持ちだよ」