気付けば、君の腕の中。
泣きそうなお姉ちゃんは、月城に肩を抱き寄せられていた。
あたしは振り返って、お父さんとお母さんを呼んだ。
「じゃあ…、お父さんたちに読むね」
「ああ…、分かった」
親の前で正座をするなんて、初めてかも知れない。
ちゃんと向き合うことすら、今まで出来ていなかった。
「……お父さんとお母さんへ。本当は謝ろうと思っていたし、何回もごめんって書いては…違うなって思ったの」
少し前まではお父さんの前で泣き崩れるお母さんの姿を見ていた。
でも、今は違うんだ。
肩を寄せ合う二人に、あたしは心から笑って手紙を差し出した。
「あたし、二人の子供に生まれることが出来てよかった! お父さんとお母さんのことが大好きだよ」