気付けば、君の腕の中。
▽ Story End


(Side:絢華)


凜くんと付き合うことになったその日、あたしは携帯を片手に悩んでいた。


「……お、お出かけ…誘っても、いいかなあ」


今まで離れていた分、隙間を埋めたかった。

でも…付き合った途端誘うなんて、ちょっと急すぎじゃない?


あたしはベッドに寝転がると、はああ、とため息を零して、ふと白くんが言った言葉を思い出した。


―「しあわせがにげるって、母ちゃんが言ってたからな!」


「危ない危ない…!」


息を吸い込むと、あたしはつい携帯の送信ボタンを押していた。


「あっ、送っちゃった……!!」

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