気付けば、君の腕の中。
幼馴染は昔、俺が住んでいた家のお隣さんだった。
近所では有名なガキ大将で、俺は幼馴染に苛められることが多かった。
苛める理由は「なよなよしている」「言いたいことも言えずへらへらしている」だかららしい。
じゃあそれを取ったら、俺には何が残るんだろう。
俺は幼馴染が苛めてきたとしても、いざとなれば頼りになる人だと思っていた。
母さんが家の家賃を払えなくなり、親戚の人の家を借りることにしたらしいので、俺は転校することになった。
それが、中学3年生の秋が終わりかけていた日のことである。