気付けば、君の腕の中。


奈々美にそれを話すと、何故か頭を抱えてしまった。


「ダメよ、絢華…。それ共依存への道まっしぐらだから……!!」

「え、ええ…? そんなことはないよ?

その頼ってもらえるのは凄く嬉しいし…」

「だからそれがダメなの!!」


がばっと顔を上げた奈々美は、あたしの隣に腰を下ろして、両手をぎゅっと握り締めた。


「いい? 男が女を頼るときは既に依存している証拠!!

しかも家庭問題を抱えた人ですって!?

手遅れになる前に一度距離を置くべきよ!!」


凄い気迫に押されかけたが、あたしは困ったような表情を浮かべた。


「実は……、今付き合ってる子とデートしたいみたいで…一緒に来て欲しいって頼まれたんだ…」

「もうそれ依存してる!!」

「…その、絢華なら頼っても俺を受け入れてくれそうだからって言ってくれて…」

「絢華も少なからず依存しかけてるわね!」


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