気付けば、君の腕の中。
星空のようにきらきらと輝く凜くんの瞳が、あたしへ向けられる。
「…本当に来たんだ」
「うん…、こんなに寒いのにほっとくなんて出来ないから」
毛布を広げて凜くんを包むと、ほんのり頬を赤く染めて「ありがとう」と笑ってくれた。
あたしもその隣に腰を下ろすと、一緒に星空を見上げる。
「……ねえ、凜くん。
ずっと聞きたかったんだけど、初めて会ったときの言葉、どういう意味だったの?」
…聞いてよかったのかな。
気分を悪くさせたら、本当に申し訳ない。
ちらりと横目で凜くんを見ると、少しだけ驚いたように目を丸くさせていた。
「俺の家族なんて…聞いても嫌になるだけだよ」
「…うん」
「でも、…あの時の絢華は、どこか寂しそうな顔をしていたから、もしかしたら俺と同じなのかなって思ったら…つい」
膝を抱えた凜くんは、そこに顔を埋めた。
「…聞いて欲しかった。ずっと、誰かに。
俺に興味を持って欲しかったし、俺も相手の色んな抱えているものを知りたかった」
あまりにも幼い子供が泣いているような、そんな姿に見えてしまい、凜くんの体を包むように抱き寄せた。