気付けば、君の腕の中。
目の前に見えてきた観覧車を見て、つい目を輝かせてしまうあたし。
小さい頃から観覧車を見るのが好きだった。
夜にはきらきらと輝いて、まるで鮮やかなひまわりのように見えて綺麗なのだ。
「ふふ、絢華ってば口半開きになってるよ」
「えっ!!」
桃に言われるまで気付かなかった…!
思わず口を押さえると、後ろから「ふはっ」と思い切り笑う声が聞こえる。
ゆっくりと振り返れば、凜くんが肩を震わせて「赤ん坊…!」と目に涙を滲ませていた。
「あ、赤ん坊て…!」
「はは、ごめ、何かツボにはまったかも…」
「もー! もしかして桃もそう思ってたり…」
「えへ、実は…」
恥ずかしそうに笑った桃を見て、あたしは肩の力が抜けてしまった。
「…へー、アイツもそんな顔出来んだ」
「!」