気付けば、君の腕の中。
ジェラートを食べ終えた後、五十嵐くんを待つことにした。
「そういえば桃、一緒に五十嵐くんと回ってたんじゃないの?」
「実は…私怖がりなの忘れてて…。途中で抜け出して来ちゃったの」
それで出てくるのが早かったんだ。
桃らしいな、と思いながら頭を撫でてあげるとようやく五十嵐くんの姿が見えた。
「…あんなの全然よゆーだった。で、次は?」
「うーん…、あ。ここのテーマパーク内に水族館あるけど、そこに行ってみる? 桃、魚好きだったよね?」
「え! いいの? 実は気になってたんだ」
迷惑だと思ったのか言えなかったらしい。
凜くんたちにも聞いてみると、二人とも頷いてくれたので、水族館を目指して歩き出す。
今度はあたしから五十嵐くんの隣を歩くと、横目であたしを見た彼と視線が重なった。
冷たい瞳に思わず視線逸らしたため、少しだけ気まずい雰囲気になってしまった。