可愛いくて、愛おしい幼馴染み
「りなちゃん、どうしたの?」
優しく微笑んでくる、彩乃さん。
「わたし…わたし…」
「よりみち、かな?」
傾げる彩乃さんは、なんだか落ち着く雰囲気をもっていて…
私が頷くと、そっかそっか、と
優しく頭を撫でてくれた。
「うぅ…直斗が…」
私の目から涙が溢れだす…
彩乃さんは、何も聞かないで、
ずっと、撫でていた。
それが、心地よかった。
だけど、それをまさか、まさか
直斗が見ていたなんて、
思っていなかった。
そして、
「やっぱ、俺と付き合おうよ?」と
綾斗くんがキッチンから、現れるなんて考えていなかった。