光の華~闇に咲く一輪~
だから、賭けをしていると言った瞬間、下っ端達の顔が一気に険しくなった。
まぁ、上の人を敬うのは族だけじゃない。
一般常識だよね。
「……あたし、宇津見さん達と賭けをしているから、皆から見ると全然印象は良くないと思います。……だけど、あたし皆と本当に仲良くしたいです!……仲間になることは……絶対に無いけど、期間中、宜しくお願いします……!」
そう言ってお辞儀をする。自分でもよくこんなに嘘がペラペラ出てくるな、と感心した。
後、『絶対』の所だけ少しだけ強く言ってみた。
皆はそれに気付くのか。そんな小さな遊び心。
そして次に言われる言葉は、予想通りのものだった。
「俺は認めません……!」
力強く、あたしを認めることは決してしない、とでも言うような声。
その声が倉庫内に少し響いた。
「俺もっす。その人の事は認められません。」
「……紅須さんと同じ学校ですけど、俺達、紅須さんだけは認められません。絶対に。」