光の華~闇に咲く一輪~


あたしだけは、か。


それほどあたしが嫌い?


それほどあたしが憎い?


根に持つよね、暴走族の人達は。







中学の時も龍華の何人かの人達と同じ学校だった。


その中学三年の時、事件は起きた。


あたしが賭けをした一人。その子は、龍華の下っ端だった。


その子は本当に暴走族に入っているのかってほど、優しかった。


同じ委員会だったこともあり、仲が良かったんだ。


龍華に入っていることは、勿論分かっていた。暴走族の人とは賭けをしたくないって思っていたけど、その子だけは別に考えてしまった。


この子は優しい。


暴走族だけど、少しだけ遊んでみたい、と。


あの子は、賭けを快く承諾してくれた。


その子を落とすには一週間もあればあたしには充分。


一週間経てば、あの子は自らあたしに近付いてきた。


そして、あの子はキスをせがんだ。


キスだけなら、とあたしはその子にキスをした。


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