光の華~闇に咲く一輪~
「あー、うん。そうだね~。」
「ちょっと!?」
全く相手にしないような声で猫宮さんを適当にあしらう春川君。
その光景を微笑みながら見ていた。
キーンコーンカーンコーン……
「終わった~!」
HR終了の鐘がなったのとほぼ同時にクラスの男子一人が立ち上がって叫んだ。
元気だなぁ。横目にその男子を見ながら、適当に荷物を鞄に入れていく。
「気を付けて帰れよ~」
担任の気だるげな声が遠ざかっていく。
担任が教室から出て行った後、すぐに瀬月君が側に来た。
「……そんな心配そうな顔しなくても、猫宮さんは必ず守るよ。」
少しチラ見して目をそらしてから、一言。
「……無茶すんなよ。何かあったら直ぐに連絡しろ。」
「……ありがとう。」
少し前に皆でケー番を交換した。優しいなぁ、瀬月君は。
あたしを心配してくれたんだろうか。