光の華~闇に咲く一輪~
「未音ちゃん……」
涙目の猫宮さんの頭を優しく撫でながら微笑む。
あたしは平気。大丈夫、もうこんなことには慣れているから。
今思うのは、ただ猫宮さんを守りたいということだけだ。
「いい?曲がったら全力だよ。」
小さく頷いた猫宮さんの手を握って角を曲がる。
素早く手を離し、猫宮さんの背中を軽く押した。
「頑張れ……!」声には出さないけど、そう思った。
猫宮さんは言ったとおり、振り向かず全力で走っていく。
それを確認した後、携帯電話を取り出す。
『メモ』ただそれだけを龍華の幹部以上に一斉送信した。
「あれー?」
携帯電話をポケットにしまった瞬間、二人組がやって来た。