光の華~闇に咲く一輪~


開きっぱなしになっている屋上の扉。


まぁ、あたしがそのままにしていたんだけど。


そして、屋上を出る直前。


「わ、私!紅須さんとその……賭け?してみたい!」


「はぁ!?」


……その言葉を……待っていたよ。


後ろで騒いでいる中、あたしは龍華に背を向けたまま静かに笑った。


「……ほんとに?」


まだ騒いでいる龍華の方を見て驚いているふりをする。


「んなわけねぇだろ!!さくら、一回、落ち着け!!冷静になれよ!」


「れ、冷静だよ!でも私、紅須さんが悪い人には見えないの。……賭けぐらい良いでしょ?負けても紅須さんが強かったで終われば良いんだから!紅須さんも勝っても負けても何もしないよね?」


「勿論。」


「ほら!やろうよ!」


猫宮さんって、本当に優しい……。


あたしの事も疑わないし。危機感が無いっていうのかな?


「こんな子の言うこと信じられないよ!!」


まだ言うんだ。

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