ある王子達のクセあり恋愛事情
レオsaid
ふぅ、やっとついたか。ここの王宮ムダに
広いよな。武の国なんだから、ぜんぜん、
狭くていいのに。まぁ、これくらい広くなきゃ、他国になめられるけど。
閑話休題。
あ、集まれと言われたのは、会議室で、
陛下や、大臣達が話合う時に使われている。
「おお、やっときたか。子供達よ。」
これがおれ達の父親のシオルアーク・グランスール。つまり、国王だ。金髪碧眼、体は細いが、筋肉はちゃんとついている。
まぁ、暇があれば、騎士団にきて体を鍛えているからな。
「一体、急に何の用ですか?陛下。」
「ああ、よいよい。いまは、堅苦しい大臣達はいないのだ。楽にして良いぞ。フォン。」
「そうですよ。楽にしてください。フォン。」
こう言ったのが、今の妃のエルナティア・グランスール。紅く、真っ直ぐな長い髪に、紫藍の瞳を持っている綺麗で意志が強い女性だ。優しく、おれ達の事も可愛がってくれている。
「本題に移る前に一つ質問だ。お前達は、全員が王になることを拒否しているが、それは変わっていないか?」
「全員、変わってない。」
「ふむ、やはりか…。」
「まさか、強行するなんてこと、しないよね?」
「そんな事、させるわけがなかろう。」
「じぁ、何の用なのぉ。俺、眠いんだけど。」
「エインお兄さま。大臣達がいないとはいえ、父親なのですから、敬って下さい。」
「よい。スーは相変わらず真面目じゃのぉ。…さて、そろそろ本題に移ろうか。」
国王がそういった途端、部屋の雰囲気が変わった。
「お前達には言っておらんかったが、私はもう、永くない。
しかし、いまだに国王は決まっていない。もし、私がこのまま死んでしまえば、お前達には、政権争いが待っておる。私は、仲が良いお前達に、無理矢理争って欲しいとは思わん。
そこで、だ。ある人に三年間、お前達を見張ってもらい、誰が王に相応しいか選んで貰うことにした。
ちなみにこれは、大臣達と相談した上での決定事項だ。異論は認めん。」
「…エ?」←スー
「う」←エイン
「そ」←おれ
「だ」←フォン
「ろ…?」←ナル
「ふむ、やはりお前達は仲が良いのぉ。」
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