天空に一番近い蒼~女子校体育教師と生徒の恋の場合
長い四肢を駆使して見事なジャンプシュートを決める先生に私が眼を見張ると、

「うゎぁ…」

「凄い…」

みんなの間からも感嘆の声が漏れた。



「やっぱ仁科先生カッコいいー!」

「だよねー!」

女の子たちがひそひそ言う声が、きっと先生の耳に聞こえているだろう。

ボールを拾って振り返る先生はどこか得意気に見える。



「と、まぁこんな感じでやってもらうわけなんだけど。」

「えーっ!無理だよ先生!」

「自分でやるより先生の見てる方が良いっ!」

「俺もそうしたいとこなんだけどな、それじゃ授業になんねぇから。

ま、しょーがねぇ。とりあえずまぁ、二人一組でパス練習から。」



先生の合図でみんなが組を作りつつ、広いコートに広がる。



「青海。」

茉莉ちゃんが声を掛けてくれて、私は茉莉ちゃんとパス練習することにした。



「仁科先生、人気あるね。」

「…だね。」

「青海もカッコいいと思う?仁科先生。」

「えっ…」



さっきの先生、単純に格好良いと思った。



いや、多分今日だけじゃない。



『俺で良けりゃ話聞くからさ、戻ってこいよ。』



『青海のこと、守るから。』



先生は前から格好良いのかもしれない。
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