雨の降る世界で私が愛したのは


 黒い空に稲妻が走る。

 一凛の白い肌が一瞬浮かびあがった。

 ハル、わたし達は間違っているの?

 一凛はハルが自分の体を開いていくのに身をまかせる。

 間違っているものがどうしてこんなにも愛おしくて、こんなにも喜びに満ちあふれているの?

 一凛は短い息と声を漏らす。

 自分たちが堕ちる世界はどんな世界だろうか。

 突き上げてくる快感に身をよじり声をあげたとき、それがどんな呪われた世界でもいいと思った。

 このまま躯が砕けるほど強くとハルに懇願した。

 ハルと一緒になったまま壊れて無くなってしまえるならそうなりたいと思った。

 一瞬一凛は強い光に包まれた。

 それは雷の鋭い白い光とは違う、もっと大きくて暖かい光だった。

 この光はなに?

 一凛の意識はうねるように襲ってくる快感に呑み込まれていった。


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