気付いて、届いて
わかろうとしたが、わからなかったんだ。

何故って、そりゃ、感情表現が乏しい子だったんだから、仕方ないだろう。

つぶらで、長い睫毛を上にむけた目で俺をみつめるだけなんだから。

そんなところがミステリアスで少女の中の小悪魔に惚れてたから、気にならなかったし。

うん、うん、と彼女はいつも俺のつまらない、しかも彼女には理解しにくい仕事の話を聞いてくれた。

仕事の話に限らずだったが、それもまた愛し。
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