この恋は、きみの嘘からはじまった。
「今から見れるって思っただけで、心臓破裂しそう……」
「重症だね」
私もそう思う。
自分でも引くぐらい如月くんばっかりなんだ。
男子はいまバスケをしていて、私たちはバレー。
隣のコートばかり気になってしまうのは必然。
「早く着替えて行くよ」
「うん」
まだ本人を見てすらいないのにすでにお腹いっぱい。
こんなので私は大丈夫なのかって思うけど、やめる気もやめられる気もしない。
私の中で決まった答えに、また好きを実感した。
如月くんのことを考えながら体操服に着替えて、奈々ちゃんと体育館に移動する。