この恋は、きみの嘘からはじまった。
でも泣いてたしそれはないか……。
とりあえず校内のひと気がない場所を頭に思い浮かべる。
正直、桃瀬さんとちゃんと話すようになってそんなに月日は経っていないから、どこに行くとか思考とかわからない。
康二くらい単純だとわかりやすくていいんだけどな。
なんて思いながらも、桃瀬さんが行きそうなとこを探す。
非常口、裏庭、図書室、資料室。
どこにも見当たらない。
穴場スポットなはずなんだけどな……。
だけど、探す足は止めずに走り続けて別棟に来た時。
背中を丸めてこちらに背を向け座っている女子。
後ろ姿だけで、誰かなんてわかってしまった。