この恋は、きみの嘘からはじまった。
俺の胸にじんわりと沁みて温かくなる。
秋人にイライラしていた自分も消えていた。
いま、目の前の桃瀬さんで満たされる。
俺が他の女に興味を持てなくなったのは桃瀬さんのせいだ。
気分なんかじゃない。
桃瀬さんが……。
「俺も」
「え……っ?」
「俺も好きだよ。
桃瀬さんのことが好き」
桃瀬さんが好きなんだ。
自分の感情を言葉にすると、すんなりと体に馴染み俺の中で確信に変わった。